テスターを 12 人集め、クローズド テストを 14 日間続け、本番環境へのアクセスを申請 をクリック。数日後、受信トレイにメールが届き、Play Console のダッシュボードにはこう表示されます。Google Play の製品版にアクセスするには、アプリのテストをさらに行う必要があります(英語のメールでは More testing required to access Google Play production)。
私自身、製品版へのアクセスを申請する中で、このメールを何度か受け取りました。

メールに書かれている理由は 2 つだけで、どちらもあいまいです。
- Testers were not engaged with your app during your closed test(参考訳:クローズド テスト中、テスターがアプリを十分に使っていなかった)
- You didn't follow testing best practices, which may include gathering and acting on user feedback through updates to your app(参考訳:テストのベスト プラクティスに沿っていなかった。たとえば、ユーザーのフィードバックを集め、アプリのアップデートで対応すること)
そのうえで、再申請の前に「本物のテスターでクローズド テストをさらに 14 日間行う」よう求められます。
Google は審査の具体的な基準を公開していないので、ここに書くことは公式の回答ではありません。却下され、最終的に承認されるまでに私が学んだ、いちばん確認する価値のある 5 つのポイントです。
- インストール済みユーザー数
- 1 日のアクティブ ユーザー(DAU)
- アプリの品質と、テスト中のアップデート
- 申請時の質問への回答
- テスターが本物かどうか
次の 14 日間を始める前に、ひととおり確認してください。
1インストール済みユーザー数:オプトインとインストールは別物
クローズド テストでいちばん多い誤解がこれです。オプトインしたテスターの数、アプリをインストールした人の数、毎日アプリを開く人の数は、それぞれ別の数字です。 Play Console にオプトイン済みのテスターが 12 人と表示されていても、12 人がインストールしたとは限りません。こうした思い込みはほかにもいくつかあり、新人デベロッパーがクローズド テストで誤解しがちな 5 つのことにまとめています。
実際のインストール数を見るには、Play Console の左側のメニューで 統計情報 をクリックします。初期状態では、過去 28 日間の インストール済みユーザー数 が表示されます。
注意点が 1 つあります。グラフは 国 / 地域 別に分かれていて、初期状態では 5 つ(すべての国と地域、および上位 4 か国)が選択されているので、複数の線が同時に表示されます。そのフィルタを開いて すべての国と地域 だけを残し、ほかのチェックを外して 適用 をクリックしてください。残った 1 本の線が、インストール済みユーザー数の合計です。

Play Console の定義では、これは過去 30 日間に電源が入った 1 台以上のデバイスにアプリをインストールしている ユーザー の数です。数えているのはインストール回数ではなく人数なので、1 人が 2 台のスマートフォンにインストールしても 1 とカウントされます。
自分のテストで気づいたこともあります。同じネットワーク(たとえば同じ Wi-Fi)につながった複数のデバイスが、別々のアカウントでアプリをインストールしたとき、インストール済みユーザー数は 1 しか増えませんでした。これは Google の定義には書かれておらず、理由もわかりませんが、テスターの多くが同じ場所にいる家族や同僚の場合は気にしておいてください。
何人必要? 私のおすすめは、申請前にこの数字を 12 人以上に保っておくことです。多いほど安心です。
募集を始めたばかりで何も表示されない? データはリアルタイムではなく、たいてい 2~3 日遅れて反映されます。少し待ちましょう。
21 日のアクティブ ユーザー(DAU):インストールしただけでは足りない
いちばん見落とされがちな指標です。多くのデベロッパーは、テスターがインストールして 14 日間アンインストールしなければテストは「カウントされる」と考えています。しかし、メールの 1 つ目の理由「テスターがアプリを十分に使っていなかった」は、まさにこのことを指しています。
確認するには、同じ 統計情報 ページで インストール済みユーザー数 の指標メニューを開き、エンゲージメント > 1 日のアクティブ ユーザー(DAU) を選びます。Play Console の定義はシンプルで、特定の日にアプリを開いたユーザーの数です。

先ほど設定した国のフィルタはそのまま残るので、ここでも すべての国と地域 の線を見てください。グラフが空でもあわてる必要はありません。DAU はインストール済みユーザー数よりさらに遅れることが多く、数日かかることもあります。
DAU はどれくらい必要? 毎日 12 前後が理想ですが、正確な数字にこだわりすぎる必要はありません。大事なのは、線が 毎日データを持っている ことです。テスト期間中ずっと 0 に近いままなら、テスターは実際にはアプリを開いていないということで、却下されるリスクが大きく上がります。
ですから、テスターを募集するときははっきり伝えましょう。インストールするだけでは足りず、14 日間、毎日アプリを開いてもらう 必要があります。
3アプリの品質と、テスト中にアップデートを出したか
初めてのデベロッパーのほとんどが見落とすポイントです。クローズド テストはテスター集めのことだと思われがちですが、本当に見られているのは アプリそのもの です。テスターを 12 人集めるのは最低ラインにすぎません。製品版へのアクセスが認められるかどうかは、アプリの品質と、テスト中にどう改善を重ねたかに大きく左右されます。
アプリの品質。 厳密な基準はありませんが、最低限、次の点は押さえてください。
- プライバシー ポリシーと、Play Console の アプリのコンテンツ の申告が正しく入力されている
- アプリが完成していて、1 画面だけの中身のないものではない
- Android 公式の アプリの品質に関するガイドライン を参考にする
テスト中のアップデート。 メールの 2 つ目の理由「テストのベスト プラクティスに沿っていなかった。たとえば、ユーザーのフィードバックを集め、アプリのアップデート で対応すること」は、このことです。
12 人・14 日間というルールは、デベロッパーが公開前にアプリを磨き上げ、質の低いアプリでストアがあふれないようにするためにあります。真剣にアプリを作っていれば、クローズド テスト中に直したいところは思った以上に見つかるはずです。ですから、テスターからフィードバックがあってもなくても、テスト中に新しいバージョンを出してください。
公式の数字はありません。私の経験では、テスト 1 回につき、実際に変更を加えたバージョンを少なくとも 3 つリリースし、それぞれで何を変えたかを記録しておくのがおすすめです。申請時の質問で必要になります。
4申請時の質問:本気度を示す場所
これは上のどの項目にも劣らず重要です。質問への回答を急いで済ませたり、前回の回答を一字も変えずに再申請したりすると、また却下され、さらに 14 日間かかる可能性が高くなります。
模範解答はありませんし、他人の回答をコピーするのもやめましょう。ただ、承認の可能性を大きく上げるポイントはいくつかあります。
- とにかく正直に。 最初の質問では、有料のテスト提供者を利用したかどうかを聞かれます。その答えも、加えた変更も、対象ユーザーも、作り話や誇張はしないでください。
- 字数を使い切る。 各テキスト ボックスは最大 300 文字です。きちんとテストしていれば、埋めるのは難しくありません。各回答で 260 文字前後は書くことを目安にしています。
- 文法を整える。 自信がなければ AI に文法をチェックしてもらうのは構いませんが、回答を一から書かせるのはやめましょう。事実をでっち上げやすく、1 つ目のルールに反してしまいます。
- 今回の申請に合わせて更新する。 再申請すると、テキスト ボックスには前回の回答が入った状態になっています。そのまま「次へ」を押さず、1 つずつ見直して、今回変わったことを書き換えてください。前回の申請から何を変えたか(新しい募集方法、出したアップデートなど)を聞く質問も追加されます。
事前に準備したい方は、無料の 製品版へのアクセス申請の質問票 を試してみてください。Play Console と同じ 9 つの質問がそのまま並び、同じ 300 文字のカウントがあり、下書きは自分のブラウザの中にだけ保存されます。
5テスターは本物?
いちばん複雑で、はっきりさせにくいポイントです。Google は何をもって「本物のテスター」と判断するのかを公表していませんが、次のどれかに当てはまると、このメールが届くことがあります。
- インストール済みユーザーが少なすぎる、または DAU がほとんどない
- テスターがエミュレータでアプリをインストールして開いている
- 何十ものアカウントが、まったく同じ機種を使っている
有料のテスト サービスを使い、テスターの数も足りていたのに却下された場合は、その使われ方が Google から見て本物の利用に見えるかどうかを考えてみてください。
再申請前のチェックリスト
次の 14 日間を始める前に、1 つずつ確認しましょう。
- 統計情報 の インストール済みユーザー数 が 12 以上
- 1 日のアクティブ ユーザー(DAU) に毎日データがある
- テスト中に、実際に変更を加えたバージョンを 3 つ以上リリースし、それぞれの変更内容を記録した
- プライバシー ポリシーと アプリのコンテンツ の申告が正しく、アプリが完成している
- すべての回答が正直で、字数を十分に使い、今回の申請に合わせて更新されている
- テスターが本物の人で、本物のデバイスを使っている
おわりに
却下されたからといって、アプリが悪いわけではありません。たいていの場合、本物の利用と改善の積み重ねを、テストで Google に十分に示せなかっただけです。
私はこれを、却下されるたびに 1 つずつ身をもって学びました。それが、デベロッパー同士でクローズド テストを助け合うプラットフォーム、BetaLobby を作った理由でもあります。16 人のデベロッパーがチームを組んでお互いのアプリをインストールするので、全員が一度に 15 人のテスターを得られます。テスターは、あなたと同じようにクローズド テストを通過する必要があるデベロッパーです。毎日のチェックインでは実際にあなたのアプリが開かれ、毎日何人のテスターがチェックインしたかをアプリ内で確認できます。エミュレータではチームへの参加、ペア、チェックインができません。完全に無料で、有料のテストは一切ありません。

製品版へのアクセスが認められるかどうかは最終的に Google 次第で、どのプラットフォームも保証はできません。それでも、本物のテスター、毎日の本物の利用、そしてテスト中の本物の改善は、あなた自身がコントロールできる部分です。